信号機4

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信号機4

おかしいでしょ。 私が男だったら、どうなってたと思う? と、男でもない私が自分に問いかける。 色々きっしょい。 マジで無理。 どうしてくれるの。 私の心臓と脳みそおかしくしといて、あんなことしといて、他の男と平気で付き合うようになったあの子のことが、私には全然わからない。 だって、言ったじゃない。 確かにあの子は、私のことをすきだって。 なのに、そんなことはもう忘れたみたいに、高校に上がったらあっと言う間に男と付き合って、その惚気話を普通の友達にするみたいに私にして来るようになった。 そういうの、私が平気だとでも思ったんだろうか。 思ったんだろうね。だからしてるんだもんね。 でもさ、きっとあの子は悪くないんだよ。 私みたいにおかしくなってないってことだもん。 私は今でも思い出すよ。 家に居づらくて、あの子の家にばっかり行ってた頃、あの子は私を慰めようと、そんな風に言ってくれただけだったのかもしれない。 でも、でもね、それでも私は嬉しかったよ。 だから思い出す。 このまんま、真っ直ぐ自分の家には帰りたくないな、って思うたびに。 あの子に聞いたらなんて答えるのかな。 どういうつもりだったのか、今、どういうつもりなのか。 でもそんなことはしない。 出来るわけない。 なんでだろう、悔しいのかな。 自分の頭なのに、身体なのに、なにひとつ自分のことがわからない。
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