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「別れ話みたいだと思った」
中学の終わりくらいの頃か、確か冬、いつも通り放課後に私を待っていた幼馴染と学校の帰りに二人で公園に寄って適当に時間潰してた。
暗闇にはまだちょっと時間のかかる橙色と紺色の混じった空に分厚い雲が途切れ途切れかかってたっけ。そんでちょっと寒くなってきて、遊具に寄りかかって二人の肩だけがほんの少しだけ触れてた。
「あ。煙草なくなった」
と、私がポツンと零したら。
「そなの」
ってそっけない答えが返ってきて。
「まあいいけど」
っつったら
「口寂し?」
て食い気味に問われた。
「は?」
とふと顔を幼馴染の方に向けた途端、ちゅ、と薄い冷たい唇が自分の唇にあたった。
何してくれてんのこいつ。
バカだバカだとは思ってたけど、本当にバカなの。って思った。
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