「別れ話みたいだと思った」

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「別れ話みたいだと思った」

顔が離れると、じっとその目を見る。何考えてんのかわかんなくて不気味だったから。少しでもなんかわかればいいかなと思ったけど、こいつは全然いつもと変わらなかった。 なんなの。 「なに、どしたの」 なんて言われて。 「どうしたはあんたでしょ」 つって。 「なんか変だった?」 とかフツーに答えやがるから。 「変でしょ」 つって、ひっぱたいた方がよかっただろうか、って考えた。 でも別にここには誰もいないし、ってそういうことじゃなくて。 っつーか、夜の近づく公園で煙草吸ってだべってるのにつき合ったことで、何か誤解させたとか?って考えて、いやいや、何を誤解したらそういうことになんだよ。 なんの前振りもなくそゆことしちゃう?ってため息ついて。 実はそんな気はしてたんだけど、とか、知らんぷりしてた変な関係に、答えが欲しいような欲しくないようなそんな気分でぼんやりしてたら、こいつは飄々として言いやがった。
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