「別れ話みたいだと思った」

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「別れ話みたいだと思った」

そんなことが、今くらいの季節にあったなーなんて、ふと思い出した、高校三年生の冬だった。 私には年上の彼氏が出来て、ろくに学校に行かなくなっていた。 そんな中、たまたま登校した日の放課後、本当にしばらくぶりにこいつが私のところにやって来て、一緒に帰ろうと言って来た。 だから、あの日のことをなんとなく懐かしいなって、思い出したのかもしれない。 「煙草なくなった」 そんなの覚えてるわけないよな、と思ったけど言ってみた。 「そ」 幼馴染はそれだけ答えるとこっちを見もしなかった。 「持ってない?」 そう聞けば、ん、と箱を制服のズボンから出してこちらに傾けてくれる。 「そっか」 それだけ答えて、私は差し出された箱から煙草を一本もらうと、100円ライターで火をつける。
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