親戚宅へ

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親戚宅へ

スンミョンのもとから走って数分後、叔母の家に到着した。普段びるるんは長距離全力で走る機会がないため、叔母の家の戸をノックするときは完全に息切れていた。 ハァハァハァハァ私は荒い呼吸をしながら、 「おばさまぁびるるんでございます」 するとガチャッと戸が開いた。 「やあよく来たね。急いでるみたいだけどどうしたの?」 そこで私は伯母様に心配されていることに気付いた。 「心配かけてすみません。実は……」 「続きは中で話しましょう!びるるん」 「はい!お邪魔しますね伯母様」 そう言って家の中に入った。そして、リビングに通された。 リビングに入ると、何故かここに居ないはずの漢の国の皇帝がいたのであった。小国の商人といえども皇帝の顔は知れ渡っている。びるるんは、ソファーで叔父と寛いでいる皇帝を見て混乱してしまった。最初見たときは、人違いだと思っていた。しかし、叔父さんがこういった。 「リュウホウさんよ、どうやらお姫様が来たようだぞ?」 するとリュウホウはこちら側を見た。 私はリュウホウにものすごい目で見られた。私は不思議な気持ちになった。 どのくらいお互いに見つめ合ったのだろうか。先に言葉を発したのは、リュウホウであった。 「びるるんよ久しいなぁ。余のことを覚えておるか?」 そう言われても、びるるんは当然のこと覚えない。 何故なら、びるるんが漢の国を出て水無月の国で暮らし始めたのが3歳。何故3歳のときにびるるんは親元を離れなければならなかったのか。それは、びるるんが生まれる頃の漢の国の状況が危険な状態であったからだ。 当時は、はやりの病が国内で流行っており、国中がゴタゴタしていた。それに加え皇室ではリュウホウの弟が模倣を起こし、まだ子供であるびるるんにはとても危険な状態であった。故に、びるるんを安全な場所に逃がすことになった。 びるるんを逃がすときに一緒に移動してきたのが、そう、叔母であるララノアであった。 ララノアの従姉妹が漢の国の王妃で、避難するのにはちょうど良かったのだ。一刻も早く国からでなければならない。安全でびるるんの体力を考えると、水無月国に避難することとなった。水無月国には幸いにも、ララノアの夫リュウエイの弟家族が商会を営んでいた。びるるんをそこに連れて行った。ララノアは、びるるんに出自のことを秘密にして育てるように伝えた。 そして話の冒頭に戻る。 「あの、皇帝陛下」とびるるんが言うと、 「楽にいなさい。びるるんよ久しいなぁ。余はそなたの父親だ。そなたをお迎えに来たのだ。これからは、楽しくすごそうではないか!!そして余のことはお父様と呼ぶが良い」 そういった皇帝の顔は正しくびるるんそっくりの顔であった。 私は勇気を出してスンミョンから言われたことを皇帝に問うのであった。 「おおお父様。あああのですね……そそのお尋ねしたいことがあります」 「何かね?何でも言ってみなさい」 「スンミョン皇子からですね。ペンダントのことを言われたのですが……」 「あーあれはな、皇族のみが持つことを許されているんだ。そなたも世の大事な娘。お迎えに来たときに分かるようにな」 そう言われて納得するしかなかった その後は叔父と叔母も会話に加わり穏やかな時間になった。
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