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仲直りはしたが、結局頬が腫れ、変色していた為小学校は母に休まされた。 涙の痕を拭いた優斗と仕事に行く父を見送り、隼人は朝食を食べようとリビングに行った。 昨日の夜は何も食べていなかったし、優斗と仲直り出来たことでようやく胃のムカムカが消えたのだ。 とてもお腹が減っていた。 『あれ?』 リビングには先程あったはずの隼人の分の朝食が無くなっていた。 冷蔵庫に入れたのかと椅子の上に立って開けるが、朝食だと思われるものはない。 手鏡を見てメイクをしている母に声をかけた。 『お母さん、ボクの朝ごはんどこ?』 「捨てた」 手鏡に映る自分の姿から目を離さずに母は言った。 『ぇ?』 「優斗にあんなことを言っておいて食べれると思わないで、今までは用意してあげたけどもうあんたも3年生でしょ? それくらい自分で用意しなさい」 隼人は流れ落ちた涙に気づいて咄嗟に下を向いた。 『ぁ……』 喉に何かが突っかかったように声が出ない。 突然の母の言葉に何を言えばいいか分からないのだ。 「優斗泣いてたのよ」 『ご、ごめんなさい』 やっと出た声は、随分と小さかった。 「それから、もう顔を合わせたくないから私達が居る時はどこかに行くか部屋から出ないでね、あ、中学までは月に3000円渡すわ、はいこれ」 母は財布から1000円札を3枚取り出して乱雑に机に置いた。 「突っ立ってないでよ、邪魔」 隼人を押して母は鞄を持ち、玄関に向かった。 尻もちをついたが、それでも固まって足は動かなかった。 ドアの閉まる音が静かな部屋に響いた。
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