その腕が、もう

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その腕が、もう

私は寝起きの回らない頭のまんま、「最後に煙草吸わせて下さい」って言って、シングルベッドから下着姿のまんま二日酔いの頭抱えてなんとか起き上がった。 先輩は「おまえは子供すぎるよ。可愛かったけど、俺めっちゃ犯罪者じゃん」なんて言うと笑って灰皿と百円ライターと煙草を私に手渡し、シャワールームに消えてった。 犯罪者って。 年なんて2,3しか違わない。 先輩は高校に行かないで仕事をしながら一人暮らしをしていたから、社会人ってやつで。 そういう社会人から見たら、年齢なんて関係なくて、制服着て学校に通ってる女の子なんかみんな「子供すぎる」のだろうか。 それとも、特別私だけが「子供すぎた」のだろうか。 なんだかこの狭いシングルベッドで1年くらい寝てた気がする。 その間に、普通に他の男の子とも付き合ったりしてたけれど、先輩は別に私を責めたり咎めたりはしなかったし、親友もいつの間にか「あんなに夢中だった彼女」とは別れていた。 そんで、気づけばまた他の新しい女の子と付き合っていることもあった。 なんだかそんな親友を見ていたら私も気が済んでしまって、そんなことが、そんな私の心の変化が、もしかしたら先輩にはわかったのだろうか、と思うと、「呆れる、諦める、どうでもよくなる、ってことが子供ってことなの?」と言うよくわからない疑問が頭に浮かんでは消えた。
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