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その腕が、もう
親友の家のベッドも狭くて、多分シングルで、私は今まで親友と一緒に寝たことが何度かあったから。
キスをしたこともあったし、抱きしめてもらったことだってあった。でも、そんだけ。
その先はなんもしてない。
ただ一緒に寝て、もし違う女が相手だったらどんな感じになんだろう俺、なんて言って悪気もなく無邪気にヘラヘラと笑う親友の後頭部をバシっと叩いたりして、じゃれ合っていた時期がある。
そう、「子供」だったから、バカみたいにそんなこと繰り返して遊んでた。
でもさあ、そんなことされてたら私だって思うわけじゃん、もしかしたら、いつかはアンタと、なんて。そんな風に思ったことがなかったわけじゃないんだよ。バカ、バカ、バカ。
なんだかあの小さなベッドの中の、小さくて狭いまるで世界に私たちふたりきりしかいないような世界が懐かしく思えて、携帯を取り出すと今度こそ親友から来ていたのメールを見る。
『今日うち来ない?』
たったそれだけ。
高校になって、学校が離れてしまってから、数回こうやって遊ぶ連絡が来た時に、私は親友の家に遊びに行っていた。
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