2人が本棚に入れています
本棚に追加
第1話 復習
僕はあの日から虐められるようになった。
どうしてか全く分からない。
でも、僕は間違ったことはしていない。決して...。
僕の名前は佐藤健斗。
「はぁーあ。」
僕がため息をつくと、先生に怒られた。
授業中だというのに…。
わざわざ、怒ってきた。
それからは授業を受ける気がしなくて、ずっと寝たフリをして過ごした。
そして、やっと学校が終わった。
僕は思った。
(今日も一人で帰るのか…。)
そう
「また一人ぼっちで帰ってるよ〜。」
って言われるんだろうな。
そんなことを思いながら下駄箱を開けると...
手紙が入っていた。
(え?なんだこれ?まさか!ラブレター!?...…いやいや、ないか。
とりあえず読んでみよう。)
-放課後、体育館裏に来てください-
(誰だか知らないけど行ってみるか。どうせ誰もいないと思うし…。)
~1時間後~
「はぁ〜、やっぱり誰もいない。帰ろ。」
そう言って僕は教室にカバンを取りに行こうとした時、一人の女子がこっちに向かってくるのが目に入った。
(ん?誰か来るみたいだ。あれは確か同じクラスの...…。名前なんて言ったっけ?まぁいいか。あっ、こっち来る。よしっ、声かけてみよ。)
「こんにちは!」
と僕はその子に挨拶をした。
そう、挨拶をしただけなのに...。
その子はいきなり僕のお腹を殴ってきた。
「ヴッ...」
(痛い!なんでこんなことするんだよ!!)
僕は訳が分からなかった。
お腹を抑えて蹲っている僕に
「ねぇ、今どんな気持ち?」
そう言い残して彼女は去って行った。
(はぁー!?どんな気持ち?ってなんだよ。挨拶しただけなのに
僕が何したって言うんだ。最悪だよ。明日からどうしようかな。今の誰かに見られてたりして。やだなー。もういいや、家に帰ろ。)
~次の日~
「おはよう!」
「おっす!」
「昨日のドラマ見た?」
教室に入ると、みんないつも通りだった。
(良かった。まだ、バレてなかったんだ。)
僕はホッとした。昨日の放課後の事がバレたら、余計面倒さくなる。
~昼休み~
「一緒にご飯食べようぜ。」
「うん...。」
(正直、友達と一緒に食べる気分じゃないんだけどな。)
本当は一人でいたかった。でも、心配させるんじゃないかと思って何も言わなかった。僕はご飯を食べながら昨日のことを考えていた。彼女たちが僕を殴るのは、何か理由があるのかなんて考えていた。
~放課後~
「一緒に帰ろ〜。」
「ごめん、今日用事があるから先に帰るね。」
「そっか、じゃあ明日遊ぼうな。」
「分かった。」
(さてと、早く行かないと殴られちゃうよな。)
昨日の事があってから僕の下駄箱を開けるたびに手紙が入っていた。その内容は昨日と同じ...
-放課後、体育館裏に来てください-
そして、今日も僕は急いで体育館裏に行った。
「来たわね。それじゃあ、始めるわよ。」
そこからは地獄のような日々が続いた。
毎日のように呼び出され暴力を振るわれた。
そんなある日のこと…。
「ねぇ、あんた最近調子乗ってるんじゃない?」
と言われた。だから、僕は
「え?別にそんなつもりはないんだけど!!」
そう応えた。そしたら、
「嘘つくんじゃないわよ。」
バチンッ!!
僕は頬を思いっきり叩かれた。
(嘘ついてねぇーし!何言ってんだよ。それに叩く力つぇー。)
「いっ、いったいな〜もうちょっと手加減してくれても良くない?」
「うるさい!!このクソ野郎が!!!」
(クソ野郎はお前だろうが!)
ドカッ!ボコッ!
何度も蹴られ続けた。
そして、とうとう限界を迎えた僕はその場に倒れ込んだ。
「ふぅースッキリしたわ。これにこりたら二度と私達に近づかない事ね。分かったら返事をしなさい。」
「はい…。」
(僕がいつ近づいたよ。そっちから近づいてきたんじゃん。まぁ、今日で解放される訳だし、別にいいか。あー、痛てー。)
こうして、僕の地獄の日々は終わった。
これで、ちょっとは平和になったはずだ……。
2週間後~
「おい、あいつまたいるぞw」
「ほんとだwww」
「何回も注意されてんのに学習しない奴っているんだなwww」
僕を虐めてきた取り巻き達は僕を見る度に笑ってくだらない話をしている。それでも、僕はいまだに学校に残っている。なぜなのかというと、単純に家に帰ったら殴られるからだ。解放されて、平和になったと思ったのに、僕が臆病だからかそう捉えて殴ってくる。
(それにしても、どうしてこんなにも僕に絡んでくるんだろう。)
僕にはまだ、分からない。
でも絶対に許すはずがない。いや、許さない。
「あいつらに復習してやる。」
そう、僕は心に決めた。けして、この決意は変わることはないだろう。
最初のコメントを投稿しよう!