もふもふ詐欺にあいました。

もふもふって何？

「サラ、結婚相手が決まった。」

突然お父様に言われた。

「嫌です。人間と結婚などしません。」

人間が苦手で、ほぼ引きこもりの私。
今まで全ての縁談を断り続けてきたし、親も変わり者の私を外に出すことはなかった。
なのに…、何故いまになって…。

「人間じゃない、相手はお前の好きなモフモフというやつだ。結婚しなくても、仲良くするだけでもいいらしい。」
「…本当に？モフモフしているの？」
「隣国は獣の国だと聞いた事はあるだろう？」
「…ええ。珍しい動物が沢山いるって、もしかしてそこへ行けるの！？」
「ああ。」
「仲良くするだけでいいの？」
「相手は人じゃないからね。」
「私行きます！！」

この時、私はなぜ考えなかったのかしら。
隣国は未開の地で、殆んど誰も立ち入った事がないから、色々な噂があっただけだという事に。