モフモフを探しに

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「下ろしてーーっ!!」 嫌な予感は的中! 私はアサヒに抱えられて、空を飛んでいる。 「どうして翼がないのに空を飛べるのよ!!」 「うーん、どうしてって言われても。」 「自分の体の事でしょう。解らないの?」 「サラは『どうして爪や髪が伸びるの?』って聞かれたら答えられる?『爪が伸びないようにして』って言われたら、出来る?」 「……出来ないわ。」 「俺も同じ。生まれつき飛べるから、何故って聞かれても飛べるからとしか言えない。原理なんて解らない。」 「そっか……。この国の人は不思議なのね。」 「謎が多くてカッコいい?」 「格好よくはないけど、面白いと思う。」 「うーん、面白いよりカッコいいの方が嬉しいけど、サラが興味を持ってくれるならどっちでもいいか。」 この王子と会話をしていると、何だか調子狂うわ。でも、『貴族の普通』を要求されないのはラクなのよね。 『侯爵令嬢だから』『貴族だから』そんな事ばかり言って、やる事を全て制限された。6才の時に招待された王子の誕生日のパーティーは、仲良しの演技をしているだけの子の集まりだった。 こんな汚いモノと仲良くできないと思ったから、家族以外との接触は絶った。 そして、最終的に家族に厄介者扱いされて、この王子と結婚…。 「サラ、どしたの?変な顔して。」 「変な顔はしてないわよ。」 「じゃあ、可愛い顔。」 「可愛くない。」 「我が儘だなぁ」 変な王子だわ。 思った事を言ってくれるところは、嫌いではないけどね。
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