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「お母さん、私はなんの為に生まれてきたの?」
「そ、それは…」
「わからないでしょ」
「でも、お母さんはあかりが生まれて来て幸せよ…?」
「ふぅん」
しばらくの沈黙が続いた。
「私さ、もう出てっていい?」
「え?」
「弟と妹の面倒見るのやだ、ご飯も作るの面倒くさい。」
「それは…」
「私、テスト勉強だってあるし、受験ももうすぐだよ?」
「ずっとこの生活じゃ、勉強なんてまともに出来ないよ。」
「…。」
私はもう疲れたんだ。
ようやくわかった。
だからどこかに逃げたくて青木の所に逃げてセックスをしたのだ。
もう青木と付き合ってもいい。
そのぐらい疲れていた。
「もう出ていくね。」
「出ていくって…どこに行くのよ…」
「わからない。」
「…。」
お母さんは下を向いていた。
「明日には出ていくね。」
「えっ…ちょっと待って…」
「無理」
その後何も話さず、明日の用意をし、私は出ていこうとしていた。
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