家出の場所

4/4
76人が本棚に入れています
本棚に追加
/80ページ
      『ピピピピ、ピピピピ』 目覚ましの音が聞こえる 「んっ…」 私は目を覚ました。 まぶたが重いし、体が動かない… 起きてすぐに悠斗の顔を見る 可愛いな、寝顔 私はニヤニヤしながらつい、じーっと見てしまった。 「ん?」 悠斗が起きた。 「えっと、いや、なんでもない。」 私は何事もなかったように悠斗と話した。 「なぁ、朝ごはん出来たよ」 「ありがと。」 つい、静かになってしまう。 「どうかした?」 「なにもないよ。」 「嘘つけ」 「ほんとだよ。」 「だって、昨日の夜のあかり、めっちゃうるさかったのに、今はめっちゃ静か。」 「そんなの、性格だってしばらくすれば変わるわよ。」 「変わりすぎだろ。初体験気にしてんのか?」 「うーん、朝考えたら親に迷惑かけたかなって改めて思ったの」 「まぁ、そうだなー」 「ねぇ、悠斗は初体験した?」 悠斗は黙り込んだ。 「してないよ」 真面目に答えていた。 「嘘だー、絶対してるでしょ」 「してない。」 「なんで?」 「だって好きな人がいるから。」 ズキッ… 心が痛かった。 昨日も聞いたけど改めて真面目に聞くと嫌。 気のせいかなって最初は思った。 今思えば悠斗がいるから色々相談にのってくれて、頼れる存在だった。 私の好きな人ってほんとは、悠斗なの? なんで気づかなかったのかな… 後悔していた。 気づけば涙が溢れていた。 「お、おいどうしたんだよ」 「ううん」 「相談しろよ」 「ありがとう」 「じゃあ相談するね」
/80ページ

最初のコメントを投稿しよう!