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「そういう」プレイ
「しおりちゃん、顔が見えるようにして欲しいな」
「はあ、はい」
しおりはお客さんがいないものとしてこのプレイの間の時間をやり過ごしたかった。
そうさっき思ったばかりだった。
けれどこの出目金は、そんなしおりの細やかな願いをも打ち砕く。
そう、やたらと話しかけてくるのだ。
しかも、しおりが嫌がるような、本当だったら出目金のことをぶっ飛ばして、すぐにでもこの部屋から逃げ出してしまいたくなるような、そんな要望ばかりを次から次へと指示してくる。
どうせだったら、浣腸を客自ら嬢に挿入して中の液体を肛門から注ぎ込む、そんな様の方を見たいと言う嗜好のお客さんの方が、しおりからしたらいくらかマシだった。
苦悶したり、屈辱に耐えたりしている顔を、表情を見て悦ばれるくらいだったら、細かくその為に使われる器官の部位を見られている方が幾分かマシだった。
けれど仕方ないのだ。
このお客さんの趣味、性的嗜好はそう言うものなのだから。
その要望に応える為にしおりはこのホテルへ呼ばれ、そしてプレイ料金を受け取ったのだ。
残り時間は後どのくらい残っているのだろうか。
多分、1時間ちょいといったところ、だと感覚的には感じるのだが。
後始末や、OLのコスプレから着替える時間なんかも考えると、「プレイ内容」はなるべく早く片付けてしまった方が良い、と判断する。
なんたって、どれくらいかかるかわからないのだ。
予想がつかない。
しおりは一体、どのくらいこのホテルの部屋のトイレにこもることになるのだろうと言う、そこがまず予想出来ない。
万が一にでも、予約されていた120分以内にプレイが終わらなければ、つまりしおりがトイレから出ることが出来なかった場合などは、そこから先はここのホテルの部屋代はしおり持ちとなってしまう。
こんなことならば、いっそノロだったのなら良かったのに。
せっかくの健康体で便秘すらしていないのにイチジク浣腸を二つ使ったとして、果たしてちゃんとしおりの腸はお客さんの望むような反応を示してくれるのだろうか。
全くの未知だった。
やたらと色々と話しかけてくる出目き…お客さんに、しどろもどろに返事を返しながら、とりあえず横になっている体の上側に来ていた腕を後ろへ回すと、手のひらで尻たぶを掴んで広げ、一つ目の浣腸の管になっている部分で目当ての器官である入り口、まあ本来は出口だが、その部分を探ってプスリと差し込む。
管の部分全てを埋める為に押し込むと、それはすんなりとなんてことなく中へと納まり、内側を奥へ奥へと進んで行く。
時間なんてかかるわけなどない。
そのように作られているのだから、イチジク浣腸も、人間のその器官も。
とりあえず、液体の入っている風船のような形になっている部分だけを残して、管の部分は全て中へと入れることには成功する。
相変わらずお客さんは何かしおりに話しかけているけれど、しおりには今それに応えている余裕はない。
真剣なのだ。
今度は風船のようになっている部分の中身、その液体を自分の中へと注ぎ込まなければならない。
どうかしおりの腸にいくらかは何か出せるようなモノが用意されていますように、願いたくもないことを願う。
とにかく、このお客さんさえ満足させてしまえば、しおりの役割は終わるのだ。
そうして、それが早く終われば終わるほど、しおりの精神的負担は減る。
指でつまんでいたイチジク浣腸の風船のようになっている部分を、思いっきりギュウっと手のひら全体で握り締めると、冷たくてにゅるにゅるとした感触が肛門の内側から中へと入り込んでくるのがわかる。
まだだ、と思い、今度は中に残っているであろう液体までをも絞り出すようにして後ろの部分からゆっくりグルリと巻いた。ニュル、っと差し込んでいる部分から外側に少しばかり溢れて来てしまうその液体の一部で指が汚れる。
しおりは顔を顰める。
そして、お客さんが感嘆の声を漏らす。
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