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そして、その日の初の部活は終わった。下校のため駐輪場に行くと同じ部活だった子は息を切らしていた。優生架からすればそこまでキツイ練習では無かったのだが、初の部活にしてはしっかりとメニューをやらされた気もした。
優生架は、帰りながらいろんな事を考えていた。今年の1年は上手いと言えるほどの子はいなかった。そのため、先輩とラリーをしていて1番ラリーが続いた優生架は目立っていたほうだ。優生架は目立ちたくないと心から思った。
―翌日―
「おはよ~」
朝から元気な声。愛由だ。優生架は答えた。
「おはよう。朝から元気だね」
二言。初めてだった。愛由と一言以上会話をしたことは。
―放課後―
「優生架~。部活いこー」
放課後になり部活に行く時間だ。
「ごめん。先行っといて。ちょっと用事があるから。」
愛由は分かったと答えて教室を後にした。
私が言った用事とは、顧問に退部届を貰いに行くことだ。
部活に入って2日目。私はバレー部を退部する。理由は簡単。練習のレベルが低すぎる。
顧問にはそう簡単に退部届を貰うことは出来なかった。話し合いの様な時間を設けられ、顧問と2人で話し合った。
そして、決まった結論。それは、私本人が部活のメンバーに退部するという意志を伝え、メンバー達とこれから私がどうしたいのかというような事を伝えろと言うものだった。
まぁめんどくさいがしょうがない。部活を辞めれるのなら、簡単で楽なことだ。
体育館に行き、少し時間を貰った。
「入部して2日目ですが、私はバレー部を辞めたいと思っています。」
全員の顔が驚きに満ちていた。
愛由が口を開いた。
「なんで?せっかくバレーが上手だってみんな知ったのに。」
優生架はついカッとなってしまった。
「ふざけないで。このバレー部は甘い。ここで練習をするくらいなら、監督の元で練習した方がもっと上達出来る。」
私は何を口にしてしまったのか分かった。
「あ、すみません!」
反省。
空気が沈んだ。
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