30人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
僕は腹が立ってきた。
「いや、あのですね。お金を渡すのであれば、自分で買ってきますよ。ふざけてるんですか」
僕は腹の勢いそのままに、彼に告げた。
――そうですね。でも、あなたは買いに行く労力が無くなりますよ。これなら時間も掛かりませんし。
「いやそうですけど。いや、なんかもう、さっきからですね、時間が掛かる、時間が掛かる、お金も要る、当たり前じゃないですか。であれば、あなたは一体何が出来るんですか」
――私が出来ることは、あなたの代わりにあなたのできる範疇の何かをする、くらいのものです。
……なんだそれは。
であれば、本当に役に立たない。
「いやそんなの、何と言うか、役に立たないじゃないですか。何でも時間が掛かるだの、当たり前ですよ。そんなの、時間を掛けるのであれば自分でやりますよ」
僕は苛立ちの勢いのまま、彼に言う。
すると、少し間を空けて、彼は言った。
――本当にそうですか?
最初のコメントを投稿しよう!