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彼は言葉を連ねる。
僕は少し、我に返る。
――本当に、あなたは時間さえあれば、労力を惜しまず、やるんですか?
言われて、僕は少し考える。
――私は、あなたの変わりに、あなたが出来る範疇のことを、あなたとして、やります。
僕は少し考える。
――本当に、あなたは時間を掛けて、労を重ねて、望みを叶えるために努力できるのですか?
考える。
――いつか自然と何とかなると、諦めていませんか?
……やめてくれ。
――本当に、惜しまず努力できるんですか?
そんなことは言われずとも、彼に自我が芽生えた時点で、わかっている。
――私はそれをやろうと言うのです。
僕は腹が立つ。
――言ってください。あなたが出来る範疇のものを、私が、あなたとしてやります。
僕は少し考える。
「……あなたを消したい」
僕は少し考えて、そう告げた。
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