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――それなら時間は掛かりません。でも、いいんですか?
「大丈夫です」
――1人でも、大丈夫ですか?
「大丈夫です」
――たぶんあなたは変われないと思いますが。
「大丈夫です」
――また、呼ばれる気もしています。
「僕は、大丈夫です」
僕がそう言うと、彼は黙って奥深くへと帰っていった。
少し、見渡す。
狭いテーブルに積まれた空き缶の山が、妙に目についた。
……惨めだ。
摘んでは芽生えるいつもの感情に、僕はどうやって蓋をするべきなのか、ずっとそれだけを考えていた。
〈了〉
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