ラスボス?

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ラスボス?

陵を振り切った翌日、受付から「R&G取締役の流川様がお見えです」と連絡が入った。 「流川?」 「流川玲子様です」 流川の苗字とはいえ、母の名前ではない・・・・となると、誰?R&G取締役の女性。 そこで思い当たる人が一人いたことを思い出す。 義父の兄嫁だ・・・・つまりは陵の伯母。多分そうかな?恐らく間違いないか。お祖母ちゃんの喪中はがきにそんな名前を見たのを思い出す。でも、そんな人がなんで私に会いに来る?ネットで検索すれば、顔写真まで出てきた。間違いない、告別式で会った女性だ。 きっと、この訪問は陵関連以外にないだろう。それもR&Gの取締役として訪問されては、今の私の会社でのポジションを考えれば、無下に断るわけにはいかないんだろうな。 「私の方でお迎えにあがります」 そう受付の内線に答えて、スケジュールのアプリに接客と入力して席を立った。 受付に着けば、やはり告別式に陵の席の隣にいた女性がいた。 スーツを着慣れた穏やかそうに見えるけど、ちょっと冷たそうな雰囲気もある小柄な女性。彼女はかなり高いヒールを履いていたけど、低めのヒールを履いたほぼ平均身長の私と並べば、ほぼ同じ高さ。 「不破野です」 「少しお時間いいかしら?陵のことで」 ですよねぇ・・・・陵から逃げていたら、もっと大きな敵にみつかってしまった感じだ。待ったなしか。 「このビルの下にあるカフェでもいいですか?まだ仕事が残っておりまして、30分くらいしかありませんが」 「結構です。15分もあれば十分です」 溜息を無理やり飲み下して、二人並んでエレベーターに乗りこむ。 エレベーター内は無言のまま。 カフェについてウェイターさんに席に案内され、二人ともコーヒーを頼む。 「単刀直入に言います。陵とは別れて下さらない?」 ほら、きた。それも核心からきたな。
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