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大学4年生の春、その知らせは自分の父によってもたらされた。
「そりゃあ帰るよ、だってGWと言えばそっちの田植えだから。先輩の家で何件も手伝い予約が入ってる」
最終日には田代先輩んちの田植え、もう高校一年から毎年続くルーティーンだ。
『お前、実印は家に置いているのか?』
実印?俺が昔、正式に出雲家の養子になった時に父ちゃん達が作ってくれた読めない文字のデカイ印鑑か。
「当然だよ、大事な物だ」
美音が大事に預かってくれている。
『じゃあ問題ないな』
「なにかに使うの?」
『ああ、お前の婚姻届』
そうか、婚姻届か。
え?
『美音に子供が出来た、母子手帳に父親の名前を入れてやらんとな』
「はぁ!?」
なんで俺、それ父ちゃんから聞くの!?
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