act.4 金風(きんぷう) 

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 始発の東京行きに乗り込み、列車の窓から改札を見るとまだ父ちゃんが立っていた。 「行ってきます」  その姿に小さく呟く。  程なく発車した車窓の向こうの父ちゃんが、あっという間に見えなくなった。    列車は田植えが終わったばかりの田園地帯を抜けて走っていく。間もなくトンネルを抜けると、俺が通っていた高校が見えてくる。  この地元に俺は大学卒業後に帰ってくる。  何も無いと言われる田舎だけど、ここには俺の大切なものが沢山ある。  それは家族だったり友達だったり、数え切れない程の大切な思い出だったり。  その大事な人達を、場所を護るために俺は必ず帰ってくる。  ここが俺の魂が還る場所なのだ。 5bca1953-71b9-4d57-b308-6ab7fc817717  終
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