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「貴方が好きです。」
と告白する事は簡単である。
しかし8割の勝率があったとしても2割は負ける確率があるという事でもある。
もしその2割に当たってしまった場合、もう二度とその獲物を手に入れる事は出来ないだろう。
リトライする事になっても今までのデータは全て無かった事になるか、そのデータが邪魔をし、更に遠退いてしまう事になりかねない。
安定に釣り上げる為にはとことん手を抜いてはならない。釣り上げるまで、つまり100%の確率になるまではしぶとく根強く駆け引きが更に重要となる。
つまり釣りで言えば垂らした糸先に獲物が食いつくかどうか?の瀬戸際である。
チャンスだからこそ今までよりも更なる緊張感が必要なのである。
つまり「貴方が好きです。」という賭けに出るより、「貴女が【私】好きです。」と言わせたもの勝ちである。
それは明らかな勝利宣言であって、釣果である。
ではまた本題に入りましょう。
彼女の言いなりになる事も出来ず、私を突き放す事も出来ない万事休すの彼。友人にも相談する事だろう。しかし私はどんな立場でもないので友人達が私を避難する理由はない。
風向きは変わる。
遅かれ早かれ時期に彼は自分の立場に疲れてくる。まずはそこをつく。弱っていれば弱っている程よい。
彼女の目もなく学校という場所でもなく二人きりになるチャンスを伺う。
彼がコンビニに入ればこれまた偶然を装い軽いのりで声をかける。
下校中一人になるタイミングを計ってさもこの辺りに用事があるかの如く鉢合わせる。
テクニックは色々ある。
偶然だけの挨拶でもいいし行けそうなら思いきって「ちょっと話いいかな?すぐ終わる。」とうつむき加減で切り出してもいい。
相手が了承してくれたらそのまま話をしてもいいが了承してくれない時はあえて思わせ振りに「聞いたんだよね、、噂、、」と切り出してもいい。
何故なら私は彼の頭の中を惑わせている張本人の一人。無関心な訳があるわけがない。
「あのさ、もしかして今彼女さんと揉めてるの?聞いたんだよね、○○君【彼の友人】に、、、」
勿論ここは本当に友人に聞いたかどうかはさして重要ではない。
「彼女とのいざこざ」
という大ネタさえ引きずり出せればそれでいいのだ。
彼は本当の事だしどうしていいかも分かっていないし、当事者の私から切り出してくれた事の方がきっと安堵するに違いない。
彼女が責めて焚き付けているのなら、私がやるべき効果的な手は傾聴と共感である。自ずとどちらに悩みを告白していいものなのか分かってくる。
「彼女がさ、君と仲良く話しているのが気に入らないらしいんだ。」
「えっ!たまに話するだけなのにっ!?」
「喋らないでって言われてさ、だけど君が女子だっていうだけで喋らないってもの難しいし、君にだってそんな事言えないじゃん。だから俺、、ほんと、どうしたらいいのか分かんなくなっちゃってさ。」
「そっかぁ、まぁ彼女としたら自分以外の女子と話するのは面白くないよね。」
「私だって○○君がそれで彼女と別れても嫌だし、、、うーん、、じゃあ明日から喋らないでおく??」
「私的にはちょっと寂しいけどね。○○君とお話出来るのほんと楽しいし。」
「こんな話でもこうやって相談受けたり雑談二人でしててもやっぱ居心地がいいなって思っちゃうもんね。」
「どうしよっか、、、、」
と相手に共感しつつ自分の気持ちもアピールする。
相手の様子を伺いながら次の台詞を選んで行く。でも決めされるのは必ず彼でないとならない。
そこから彼女への未練やら歴史やら愛情の深さやら等の面倒くさい話も全部さらけ出せて、全部聞いてから、、
「で?結局○○君はどうしたいの?」とダメ押す。
ここでルートは2つに分けられる、「彼女の言いなりになるか」「私にすがるか」
慎重なタイプだとこの手のルートを何回か繰り返す。【私はいつでも味方だよ】という洗脳。
意志が弱めなタイプだともう悩む事自体に疲れていて「俺、、、君【私】が彼女だったらいいのになぁ、、」までこぎ着ける事が出来たりする。
今回の彼氏さんの場合、結局彼女さんと別れて私に「付き合って欲しい。」と言わす事になった。完璧なフィッシングである!
当然その後処理は大変だった。狙った獲物がイケメン過ぎたのもあり、元彼女さんやその取り巻きさん達にありとあらゆる誹謗中傷を食らった。
うん。でもね、その貴女の大好きだった彼は私の事が好きなんですってーーーー!
と思えば、ただの負け犬の遠吠えにしか聞こえない。
反響デカければデカい程、私の達成感が満たされるだけだというのに。
これが私の最初の【釣り】であった。
後々気がつくんだけど、私は恋愛をするというより、恋愛の駆け引きをするのがどうやら楽しい様だ。釣り上げるまではどんな手でも使い興奮するが、釣り上げて自分の物になった瞬間に飽きてしまうのだ。
【釣った魚に餌はやらない】と言いますが、私は典型的なそれの様で、因みにこの初めての釣り上げた彼氏さんは餌を与えていなかったというのに私にどんどんのめり込んで行って最後は忠犬の様になってしまった。
中学三年に彼氏さんはお引っ越しをして私は「長距離恋愛はムリ!」とお別れしたつもりだったのだが、彼は18歳になって忘れていた頃にバイクに乗って2日かけて私に指輪を持ってきた。
丁重にお断りしたけど、人間って変わるんだなぁ←私のせいだけど
と思った。
恋愛フィッシングに楽しみを見つけてからはほとんど手を変え品を変え色んな男子を釣り続けています。
では、次回もレッツフィッシング✨
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