プロローグ

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「ねぇキミ。さっきすごいことになってたけどどうしたの?」 たくさんの路地裏を抜け、僕は無事にあの窮地を脱することができた。今は…この助けてくれたおねーさんにすごく質問攻めにあっている。 「僕、学校でいじめられてて、耐えれなくなって、それで逃げてきたんです。親も教師も共犯で…逃げ場がなかったんです」 まさか知らない人に話すことになるだなんて思ってもなかった。 「親もって事は家にも戻れないっと…うーん」 この人はさっきからぶつぶつと何を考えているのだろう。可哀想だなんて同情はいらないから、野次馬とかいやなんだ。 「ねぇ!キミうちこない?」 …え? 普通に考えて明らかにトラブルの塊みたいなやつ家に連れていこうとする? 「いや、何でですか」 「何でもなにも!私こう見えて儲かってるし?強いし?可愛いし?まっ要は私の選択に間違いはな〜いっ!」 「とにかくっ!君にはうちに来てもらうからね!」 「万事屋有瀬川へ、ようこそ!」 有無を言わさぬその目線を、僕はずっと覚えてる。
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