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「う〜ん…なんだか懐かしい夢を見たような…」
目を覚ます。見覚えのあるモダンな天井、奇抜な置物に可愛らしいぬいぐるみ。間違いなく自分の部屋だ。
あの頃への後悔なんてひとつも無い。
ひとつも無いのに、なんだか心が痛い。
それも全部、あの人が居なくなったせい。
ある朝起きたらあの人がいなくて、どこかで待ってるって置き手紙だけ。最初の頃は訳が分からなかったけど、あの人がいない生活にももう慣れたんだ。
今僕は、彼女の立ち上げた「万事屋有瀬川」を継いでいる。何でも屋ってより探偵事務所みたいな感じだけど。
そしていつだって、あの人の事を探している。あの人に追いついた時あの人は姿を見せてくれるはずだから。
カランカラ〜ン
もう幾度となく聞いたドアの音。懐かしいその言葉を、自分の口から紡ぎ出す。
「万事屋有瀬川へ、ようこそ。」
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