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わたし達が話していると、ミケネコーンがくるりと振り向いた。
「ミケネコーンはお友達がたくさんできて幸せですにゃん。だけど、お父ちゃまにも会いたいですにゃん」
そう言ったかと思うとミケネコーンはボロボロと大粒の涙を溢した。
やっぱりお父さんにも会いたいんだなと思うとミケネコーンが可哀想だなと思えてきた。だって、人間界という異世界でたった一匹で暮らしているのだから。
「ミケネコーンちゃん、わたしがいるよ」
わたしは、ミケネコーンに近づきその小さな頭を撫でた。
「はいにゃん。ミケネコーンは夏花のことが大好きですにゃん。だけどにゃん……」
ミケネコーンはにゃぱっと笑いそして、俯いた。
「……ミケネコーンちゃん」
「わたしもミケネコーンちゃんとこれからも仲良くするよ」
みっきーもミケネコーンに近づき頭を撫でた。
「みっきーも大好きですにゃ~ん! でもにゃん……」
俯くミケネコーンになんて声をかけたら良いのだろうかと考えてしまう。
「ミケネコーンちゃん元気を出して」
わたしが言うとミケネコーンは、顔を上げた。
そして、涙をボロボロ溢すのかと思いきゃ……。
ミケネコーンは顔を上げて、「ミケネコーンは強くなりますにゃん」と言って笑顔を浮かべた。
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