29人が本棚に入れています
本棚に追加
正直びっくりした。きっと、にゃんにゃんと鳴くと思っていたのだから。
「ミケネコーンちゃんは立派になったね」
「はいにゃん。夏花、ミケネコーンはこれでも怪獣界の王子ですからにゃん」
そう言って鼻水を垂らしながら笑うミケネコーンが愛おしく感じた。
その時、「にゃんにゃんにゃんにゃ~ん」と言う声が聞こえてきた。
この声は……。
「お、お父ちゃまの可愛らしい声ですにゃん!」
ミケネコーンが空を見上げたその時、「にゃんにゃんにゃ~ん! ミケネコーン!」とさっきより大きな声が聞こえてきた。
それとほぼ同時に手のひらサイズくらいの猫が空から降ってきてうつ伏せでポテンと転がった。
「わしは痛いですにゃ~ん!」
「お、お父ちゃま大丈夫ですかにゃん?」
ミケネコーンは心配そうにそのお父さんらしき猫を覗き込んだ。この猫が怪獣王ということなのか。
「わしは痛いにゃん! 大丈夫じゃないにゃん」
そう言いながらその手のひらサイズの猫お父さんは二本足で立ち上がった。
「お父ちゃまミケネコーンは会いたかったですにゃ~ん!」
ミケネコーンは、お父さんににゃーんと抱きついた。
最初のコメントを投稿しよう!