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「怪獣界へ帰る魔法のふりかけが一匹分しかないにゃん」
「うにゃん? 一匹分ってにゃん? まさか……にゃん」
「わしの魔法ふりかけしかないのだにゃん」
お父さんはミケネコーンを真っ直ぐ見て言った。
「そ、そんにゃ~ミケネコーンは怪獣界に……にゃん」
「帰れないということだにゃん」
「そ、そ、そんな~あんまりですにゃ~ん」
ミケネコーンは涙をボロボロ流した。
「すまんな、ミケネコーン、わしは魔法のふりかけを一匹分しか持ってきていなかったのだにゃん」
「ミケネコーンはお父ちゃまと一緒に怪獣界に帰りたいですにゃん!」
にゃんにゃん鳴くミケネコーンの頭にお父さんは手を置き、
「ミケネコーン人間界で大切な友達ができたんだよな。もう少し人間界で修行をするんだぞにゃん」
お父さんはミケネコーンの頭をぽんぽんと優しく撫でたかと思うと、砂浜を走り出した。そして、沖縄の海の色に似た美しく輝く水色のふりかけを自身の頭にふりかけた。
「あ、お父ちゃま~」
ミケネコーンは肉球のある可愛らしい手を伸ばしたのだけど……。
「人間界のみんなと仲良くにゃん、それからシーサーたん達とも仲良くするんだぞにゃん」
「お父ちゃま~にゃ~ん!」
ミケネコーンはお父ちゃまに肉球のある可愛らしい手を伸ばす。
「また、迎えにくる時まで元気でにゃん~」
お父さんは沖縄の海の色とよく似たふりかけと共に怪獣界に帰ってしまった。
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