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「お父ちゃま~」
にゃんにゃんと涙を流すミケネコーンの頭をわたしは、そっと撫でた。
「お父さん帰ってしまったね……」
「夏花……にゃん」
「ミケネコーンちゃんわたしの家に帰ろう。美味しい食べ物をたくさん食べさせてあげるからね」
「ハンバーグもケーキもサーターアンダギーも食べたいですにゃん」
「うん、全部食べようね」
「ミケネコーンは嬉しいですにゃん!」
ミケネコーンはヨダレを垂らして喜んだ。
「ミケネコーンちゃん良かったね」
みっきーはにっこり微笑みを浮かべた。
「東京に帰って美味しい食べ物を食べるんだよ」
美依奈も優しい笑顔を浮かべた。
「それでは、シーサーたんたんも見つかったことだしみんな東京に帰るのじゃ~」
シーサーたんは目をギョロギョロさせ青色の液体が入っている小瓶の蓋を開けた。
「美依奈元気でね。手紙を書くね」
「うん、わたしも手紙を書くね。今度こそずっと友達だからね」
「うん、離れていても美依奈はわたしの大切な友達だよ」
わたしと美依奈は手を握り合った。
「さあ、ふりかけるのじゃ~」
「ハンバーグが食べたいですにゃん」
「あ、ミケネコーンちゃん! どうしてゴーヤを食べているの!?」
「うにゃん。ゴーヤは苦いけど美味しいですにゃん」
ミケネコーンはハンバーグが食べたいと言いながら生のゴーヤにかじりついていた。
わたしは、ミケネコーンと出会って友達の大切さに気づくことができた。そして、少しだけ大人になれた。
ミケネコーン、君に出会えて良かったよ。
もう! ゴーヤにかじりついているんだから。これからもずっと友達だよ。
「完」
→あとがき
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