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「怪獣界はミケネコーンの故郷ですにゃん。大好きなお父ちゃまとお母ちゃまとそれから美猫怪獣のお姉ちゃまがいますにゃん!」
ミケネコーンはそう言ったかと思うとぴょ~んとジャンプしてダンボールから飛び出した。
凄いジャンプ力と思いきやバランスを崩し前のめりにぽてりーんと転び地面にひっくり返った。
「痛いですにゃ~ん! ミケネコーンは痛いですにゃ~ん」
ミケネコーンは手足をバタバタさせながら暴れた。
「大丈夫?」
「大丈夫じゃありませんにゃん! あんまりですにゃん」
ミケネコーンは地面から顔を上げた。可哀想にその顔は涙と鼻水でぐちゃぐちゃになっている。
「いきなり飛び出すからだよ」
わたしがそう言いながら手を差しのべようとしたその時、ミケネコーンはむくりと立ち上がった。
「えっ!? どうして立っているの?」
そうなのだ。このミケネコーンという猫だかなんだか分からない怪獣らしい生き物は二本足で立っているのだった。
しかも背丈は、手のひらサイズと小さかった。
「うにゃん? ミケネコーンはいつも二本足で立っていますにゃん」
そう言ってミケネコーンはぽんぽんと体に付いた泥を払った。
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