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わたしは、恐る恐る振り向いた。やはりわたし達の周りには誰もいなかった。
いるのはむしゃむしゃにゃんとドーナツを食べ続けるミケネコーンとわたしとそれから、門柱の上に置かれたシーサーの置物だけだったのだ。
「……ならんと言ったのはシーサー君なのかな?」
シーサーの置物に尋ねている自分がなんだか可笑しくて笑ってしまいそうになる。
「そうだ、わたしだよ」
シーサーのその声はちょっと甲高くて間抜けな声だった。
猫の形をした怪獣の次はシーサーの置物が喋ったよ。わたしは、またまた腰を抜かしそうになってしまった。
それなのにミケネコーンはシーサーに気づかないのか今もむしゃむしゃにゃんとドーナツを食べ続けている。
「ミケネコーン~どれだけマイペースなのよ!」
わたしは、思わず叫んでしまった。
「うにゃん? 何ですかにゃん?」
ミケネコーンは、顔を上げてわたしの顔を見た。その顔はパンくずだらけでお口の周りは砂糖まみれになっていた。
呆れてしまい溜め息が出る。
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