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「あのね、ミケネコーンちゃんってば何ですかにゃんじゃないよ」
「うにゃん? 夏花どうしましたかにゃん」
ミケネコーンはお口の周りにドーナツの食べかすをくっつけたままの状態で首を傾げている。
「シーサーが喋っているんだよ」
「シーサーが喋っているんですねにゃん」
「もう、ミケネコーンちゃんに用事があるみたいなんだよ」
わたしは、門柱の上に置かれているシーサーを指差して言った。
「そうなんですかにゃん」
ミケネコーンはくるりとシーサーに視線を向けた。その時、
「ならん! ミケネコーンを甘やかしてはならんのじゃーーーーー!!」と叫んだシーサーの甲高くてちょっと間抜けな声が響き渡った。
「ミケネコーンを甘やかしてはならんとは何ですかにゃん?」
きょとんと首を傾げるミケネコーンを無視してシーサーが「良いか、夏花ちゃん!」と言った。
「えっと、シーサーわたしに言っているのかな?」
シーサーのギョロとしたその目はわたしを見ているしそれに夏花ちゃんと言っているではないか。
「そうじゃ、この間抜けなミケネコーンのお父上がミケネコーンに修行をするようにと言っておられたのじゃ~!」
やっぱりシーサーの声はちょっと甲高くて間抜けな声だよ。
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