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なるべく画面を見ないようにしながらひたすら缶ビールに口をつけていると、香菜が「あのさあ」と口を開く。
「あの女優さん、さっきからすっごいあんあん言ってるけど、本当に気持ちいいのかな?」
「さ、さあ?気持ちいいんじゃないですかね?」
気まずい創はぎこちなく返答する。
「ふーん……ほんとかな?」
「ほんと、じゃないですか?」
ギシリとソファのスプリングが軋む音がして、隣で身動きをとる気配がする。
「ふうん。じゃあさ……ちょっと確かめてみちゃおうかなぁ?」
え?と聞き返そうと思った瞬間、創の視界はぐらりと揺れる。
押し倒された、と理解できた時は既に遅し。
いたずらっぽく微笑む香菜は馬乗りになると、そのまま自身の体を預けて創の耳たぶにそっと顔を寄せ、裏側のくぼみを舌でなぞると絶妙な力加減の唇で優しく啄んでくる。口内のヌメヌメとした温かさと、チュパチュパと耳元で聞こえる水音が脳内に甘く響き渡ればそれだけでグンと欲望が刺激されてしまう。
「んっ……。せ、先輩、ちょっと、何してるんですか?」
「何してるって……何してると思う?」
しらばっくれる香菜は耳たぶから唇を離すとチュッと控え目なリップ音を立てながら、今度は首筋へと優しく唇を這わせていく。
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