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気がつくと僕はソファーに横になっていた。
助かったのだと、生きた心地がしなかった。
「あれ、僕はいったい?」
「妻の形見が破れるとはな……もう平気か?」
「うん。父さん……僕は」
色々話したかったけれど今日はもう疲れてしまった。
父さんは優しくほほえみ、僕の頭をなでた。
「明日は、休みにするといい。俺は古城先生と面談してくるよ」
「ええっ……でも」
氷室君との約束をやぶってしまう。
僕はそれだけで、恐怖を覚えた。
「お前が何かあっては困るんだ。宿題はもらっておいてやるから元気になったら取り組め。話はあとでゆっくり聞いてやるからな」
「……わかった」
僕はうなずくと自分の部屋へと戻る。
また地獄のような振り出しに戻ってしまうのかと疑うばかりに。
「僕は……なんて不幸なんだ……」
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