2,苦労と不安と期待の前に

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2,苦労と不安と期待の前に

 六月の後半にはいる。 やっとこの家になじんできた僕と父さんはそれぞれ準備をしていた。 映画に出てきそうなリビングには、大きなソファーに4Kテレビ。 キッチンは、もはやお店のようなテーブルにイスがならんでいる。 朝食を食べ終えた僕は父さんに言った。 「ねえ、制服……どうかな?」 「ああ。にあっているぞ。さすがは紫苑だ」 ネイビーブルーのジャケットに赤いネクタイ、黒いズボンが特徴的。 僕が通う[市立軌跡ヶ丘(きせきがおか)中学校]はジェンダーレスにも優しい学校でバスケ部と演劇部が強い学校として有名な学校だ。 普通科、国際科、音楽科、スポーツ科と、クラスがありテレビや新聞でもよくのるほど。(まあ、僕は普通科だけど) 逆に女子生徒の制服は水色のスカーフが特徴なセーラー服。 父さんは先生方とも相談し僕をこのとして認められた。 「僕、転校生だから緊張しちゃうよ」 「当たり前だろう。俺だって新たに派遣社員だから。今日はリモート会議だがな」 いいなあ、父さんは家で仕事して。 でもそうも言ってられない。 僕は自己紹介を夜遅くまで考えたからストックはなんでもある。 どんな生徒、どんな担任の先生でも気にしない。 無事に学校生活を送ればいいのだから。 「僕、がんばるね。いってきます!」 「おう!がんばれよ!」
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