アングラギア

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アングラギア

 吐き気と戦いながら食物を飲み下していく。 これからのことなんてなをにも考えられなかった。 空虚な空を眺めてぼーっとする。 することなんてない。 本当のことを言うなら何もしたくない。 このまま生きてるだけの屍になるのか。 それもいいかもしれない。 その場にへたり込むとすくっと立ち上がる。 自分の足なのに言うことを聞かない。 苛立って脚を外そうとするが外れない。 アタッチメントとの間の肉と神経が軋んで痛む。 「いててて。 何だ…この、クソ!」 『豁サ繧薙〒繧ゅi縺」縺溘i蝗ー繧』 何言ってるかわからないがとりあえず死ぬなと言うことなのか。 勝手に足が進み、荒野を進み続ける。 「ちょっ、ど、どこ行くんだよ! 行き先もわからねぇのに進むなこの!」 脚を殴るが逆にヘレンの拳が傷つく。 暫く歩くとそこは機械の領地であるギアトピアだった。 「お前、まさか故郷に帰るつもりか?」 『驕輔≧』 首を横に振る様に足が横に振れる。 「じゃあ何なんだ。」 『莠コ髢薙→縺ョ蜈ア蟄倥r譛帙s縺ァ縺?k縲 縺昴?繝ャ繧ク繧ケ繧ソ繝ウ繧ケ縺ョ縺溘a縺ォ莉イ髢薙r髮?a縺ヲ縺?k縲。』 「待て待て、ギアノイド語はわからないから一気に話すな。 今から一つずつ質問していくから肯定なら左足、否定なら右足を足踏みしろ。」 コミュニケーションを試みる為にヘレンは案を提示する。 肯定の意味なのか左足が足踏みされた。 「一つ目、ワタシを襲ってきた水銀の奴はお前の追手である。」 左足が2回地団駄のように踏まれる。 じゃなかったら死にかけの人間に力を貸すわけがない。 「追われているって事は…二つ目、ギアトピアに来たのはワタシを殺す為じゃなく、叛逆する為か?」 今度は力強くダンッと足踏みが鳴らされる。 「よし、何に反逆するかわかんねぇがワタシも暇だから付き合ってやるよ!」 裏口のような所をアーノルドは蹴り上げて薄い壁をこじ開ける。 目の前に広がる光景にヘレンは驚愕する。 何と自分が住んでいたスラム街のような光景が広がっていた。 人類より高等であるはずのギアノイドが錆び付いて見るも無惨な姿で転がっている。 「…な、何だよこれ。」 『縺?¥縺。』 勝手にアーノルドは足をすすめる。 何かの部品を踏み越え、時にはギアノイドの死体を踏み越える。 「同胞の死体を踏んでも何とも思わねぇのかよ!お前!」 足を殴りつけるがアーノルドは止まらない。 接続部位をギリギリと締め上げてヘレンを苦しめる。 「ぐっ、いてぇ。」 『豁サ繧薙□繧?▽縺ォ蜷梧ュ縺励※繧ゆス輔b縺ェ繧峨↑縺??』 喧嘩しながら一体と一人は進む。 砂埃が舞い上がろうが口に入ろうがかまやしない。 「ごほっごほっ、ぺっ、ぺっ! クソったれ!」 あるハッチの前に来ると立ち止まる。 『菫コ縺?繧「繝シ繝弱Ν繝峨□』 アーノルドが何かを囁くとハッチが開く。 勝手にハッチの下へ下へと降りていく。 「うわっ、とっとっと。 あぶねーじゃないか!」 地下に降りて辺りを見回すと義手、義足やヘッドギアを付けた人間たちがいた。 「ようこそ新人。 スクラップ・アーミーズへ。」 一番大柄の義手をつけた男がにこやかに挨拶をする。 「新人? ワタシはどこかの部隊に所属した覚えはないぞ。」 「お前の意見がどうであれ、ギアノイドが足に引っ付いている以上、戦わなければ死ぬぞ。」 義手が刃に変形し、ヘレンの喉元につける。 「脅しのつもりか? ワタシが女だからって舐めんじゃ…この!くそ!動けよ!」 蹴り上げようと力を入れるがびくともしない。 「フッ、その様子じゃコミュニケーションも取れてないようだな。」 ギャラリーもニヤニヤとヘレンを見下す。 「アンタらだっていきなり手足がギアノイドに乗っ取られたら抵抗するだろ。」 「まーまー、落ち着きな嬢ちゃん。 俺らは何も機械に洗脳されて動かしたり、機械を屈服させて義手としているんではないんだ。 こいつも俺らも同じ命だ。信頼関係を築いて同じ体で共存している言ってることわかるか?」 自由に義手を動かす大男。 「わかんねぇよおっさん。 で、これは何の集まりなんだ?ドラッグパーティーかなんかか?」 シニカルにヘレンが笑うとこめかみにピアスをつけたガリガリな男が突っかかってくる。 「黙ってりゃこのクソガキ!」 「よせ、ペリドット。 アーミーズ同士の喧嘩はこの俺が許さない。」 大男が赤い瞳をぎらつかせながら牽制する。 「けどよガーネットの旦那。 生意気な新入りには灸を据えろってジャパニーズの言葉にあるくらいだぜ?」 不服そうなガリガリ男ことペリドットは一歩後ろに下がる。 「確かにペリドットの言う事は一理あるからこの世界の真理について一から説明しよう。着いてきてくれ。」 そう言って大柄の男こと、ガーネットはヘレンに背を向けて歩き出すのであった。   【Next to gear?】
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