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準備室の扉を開けると、そこには雨宮が1人で座っていた。
あぁ、そっか。数学のノートを集めるように数学係の雨宮に頼んだんだっけ。さっきの告白シーンのせいですっかりと忘れていた。
「悪い。席外してて。ノートありがとう。
気をつけて帰ってな。」
「…っ。はい…。」
ポンっと雨宮の頭を撫でた瞬間に後悔した。
告白をしてくれた雨宮に、こんな事してしまったら…。
彼女を傍目に見るとわかりやすく顔を真っ赤にさせていた。
あぁ、可愛い。
さっきの告白シーンが蘇り決心した真那斗は七瀬に向き合う。
「雨宮、付き合おっか。」
誰にも取られたくない。
真那斗からの告白にわかりやすく動揺する七瀬。
それらの行動全てが可愛く見えてしまう真那斗は自分はかなり七瀬にゾッコンなのだと悟る。
「えっ、でもこの前…。」
「教師だからな。
でも俺も雨宮の事いつの間にか好きになってたよ。
まぁ、付き合っても近場でデートとかはできないけど。それでも良い?」
七瀬は白い陶器のような肌を真っ赤にさせ、コクコクと頷いていた。
「可愛いね。七瀬。」
目を見開き、口も半開きの状態で真那斗をずっと見る七瀬の姿でさえも全てが可愛らしい。
「よろしくね。」
「よっ、よろしくお願いします…!!!」
勢いよく腰を折り、お辞儀をする七瀬の姿に真那斗も声を上げて笑った。
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