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卒業
ーーーーー3ヶ月後
卒業式の次の日、七瀬は真那斗の家に入った瞬間、前からウッディの香りを纏わせた真那斗に抱きしめられた。
卒業式当日ではないのは、七瀬のご両親が卒業当日はお祝いしたいだろうという真那斗の配慮だった。
本当は当日に真那斗に会いたかったけど、昨日の両親の喜ぶ姿を見たら真那斗に感謝するしかなかった。
そんな真那斗に更に気持ちが募る。
「迎えに行くって言ったのに。」
「早く会いたかったから。」
「卒業おめでとう、七瀬。」
「センセ、ありがとう。」
言い終わるのと同時に今までとは比べ物にならないくらいのキスがたくさん降り注いだ。
「…ん。ちょっ……っん…と、すとっぷ…。」
待って。今までしてきたキスと違う。
なんかこう、いつもも甘いキスだったのに、それよりも甘いというか何というか…。
これが大人のキスってやつ?
息の仕方が分からず、肩で息をする七瀬。
「どーした?大丈夫?」
大丈夫?と聞く割には、真那斗の顔はニヤニヤと頬を上げている。
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