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常に正しい道を歩きなさい、と教えられた。
この小さな街では、出る杭は打たれる。横に倣え。
正しい行いの積み重ねが、明日の平和を守るのだと。
しかし人は嫌なことに耳をふさぎ、目をつむり
余計なことに口を出す。
事実は切り取られ、捻じ曲げられていく。
誰かに都合の良いように、真実が作られる。
その道が正しいかどうか知る由もない。
そしてもしその行為を誰かに咎められたら、
大きな声で叫ぶのだ。
私は被害者だと。
正義感にあふれる小さな街からは、
いつしか加害者はいなくなり、
自分が正しいと主張する被害者ばかりが残っていた。
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