序章

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カーテンを閉め、電気を消した真っ暗な部屋の中、7つの液晶画面だけが不自然に光っている。 1つだけ画面が大きい。タブレットが1台と、残りはスマートフォン。 ホーム画面の時計は、時刻が深夜0時であることを示していた。   ここは百折(かずおり)高校オカルト研究会の部室。   本来であれば夕方6時半が下校時刻なのだが、「引退前にどうしても校舎で百物語がしたい!!」という会長たっての願いで集まった部員達は、真っ暗な部室の中で1つのテーブルを囲み座っていた。 「会長、時間ですよ。始めましょう」   長い黒髪のキレイな少女がそう言って、メガネの少年が口を開いた。 「それでは、今から百物語を始めよう」   少年は長い前髪の下の黒縁メガネの位置をくいっと直した。 「諸君もオカ研ならば知っているとは思うが、1人ずつ自分の知る怖い話を語り、語り終わった者は、あらかじめ蝋燭を100本用意した別の部屋に火を消しに行くというのが本来の百物語の形式だ」
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