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第3夜「美玲ちゃん」
「えっ!?ユウくんがモデルなの??」
「まあ…そういうことになったわけで…えへへ」
たきちゃんと大下くんに同時に言われて
僕は少し照れながらそう答えた。
「まったくデレデレしちゃってさ…」
と、たきちゃんに呆れられ、
「…で、裸とかになるんすか?ユウくん」
と大下くんにニヤニヤされた。
「そんなわけないでしょ!!」
「そうよ。裸になったらユウくん、女の子に
なっちゃうじゃん。バカなんだから、香澄は…」
「とか何とか言っちゃって、たきちゃん、今
ユウくんの裸、想像したんじゃないの?」
「あたしは少年専門なのよっ!!あんたたち体は
女子組はアウトオブ眼中だからねっ!!」
アウトオブ眼中…(死語だろ、それ…)
「だ、だから、は、裸じゃありません!!」
僕らの会話に耐えきれなくなった美玲ちゃんが叫ぶ。
「ご、ごめん!美玲ちゃん!!」
僕はあわてて美玲ちゃんの両耳を手で押さえた。
このバケモノ共め…!!(プンプン)
そう…実はこの前、
美玲ちゃんの卒業制作のモデルをお願いされたんだ。
(「シエスタへようこそ」最終夜)
正確には…
僕を含めたシエスタを描きたい、と言われた。
「ユウさんとシエスタを書かせて欲しいんです」
美玲ちゃんの申し出が本当に嬉しくて
僕は迷わずお願いすることにしたんだ。
「やっぱりユウくんとシエスタは一体化かあ…」
と、大下くん。
なんじゃそりゃ(笑)
「ユウさんとシエスタが大好きなんです。だから、
描かせてもらえないかと思って…」
シエスタ付きとはいえ、
美玲ちゃんに好き、と言われると幸せだあ…(デレ〜)
卒業制作の絵はかなり大きなモノのようで、
シエスタの壁一面ほどの大きさらしい。
「楽しみにしてるよ、美玲ちゃん」
「はい…頑張ります」
僕とシエスタをデッサンするのもあって、
美玲ちゃんがシエスタに来る回数が増えているのも
僕的には嬉しいわけで…(うふっ)
「ユウさんはいつものようにお仕事して下さいね。
勝手に色々描かせてもらうので…」
「了解。ときどき見せてもらうことはできるのかな?」
「はい、もちろん!」
「あ〜あ〜…いちゃこらし始めちゃって…」
とボヤくたきちゃん。
「たきちゃんだって涼くんがいるじゃん」
と大下くんが言うと、
「この前ユウくんが意地悪するから、涼はシエスタに
来たくないってさ」
意地悪…なんだかなあ…(はあ…)
「…ユウさん?どうか…しました?」
「あ…何でもないよ、美玲ちゃん」
僕は美玲ちゃんに微笑んで、
美玲ちゃんの好きなカクテルである、
「フローズンストロベリーマルガリータ」を作るべく
準備を始めた。
(カクテルレシピは次の夜に…ね)
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