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「…ねぇ」
トーマの胸を撫でていた手で、その痩身を余すことなく撫で続けている力を、甘い声で唆す。
「抱っこして?」
いいでしょ、と言う代わりに力の鼻梁、その頬に口づけを繰り返すと、力は無言のままトーマの痩身を抱き上げた。
「一回、お風呂入ろ?」
太い首に両腕を絡ませ、ピンと尖った耳をその肩に擦りつけて甘えると、力はその言葉に操られるかのように足を動かし、トーマを腕に抱いたまま、バスタブに湛えられたお湯の中に身を浸した。
「ふふっ…あったかい」
肌に優しく纏いつくお湯の感触に、そよ風のように笑ったトーマはバスタブの側にあるリモコンを手に取ると、ジャグジーを稼働させ、お湯を対流させる。
それと同時に水温の設定を下げ、のぼせないようにする。
そうしたあと力と向き合ったトーマは、その体を開き、跨いだ。
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