レンタル天気屋

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 彼女と会ってから一ケ月が経った。異常気象が続いて雨が降らない日はなかった。僕は彼女に勇気を振り絞っていつもの雑貨屋で告白した。 「僕とデートをしてくれませんか?」 「えっ?!」 「あなたのことが好きです!」 「嬉しいです。私もあなたが気になっていました」  僕は人生で初めての告白をして、それを受け止めてもらえて、とても嬉しかった。彼女は微笑んで、少し恥ずかしそうだった。  デートは日曜日に決まった。待ち合わせ場所はいつもの雑貨屋にした。初デートは気分も晴れるような快晴がいいな。  僕は毎日、晴れになるようにと祈ったけれど、デートの日は土砂降りだった。風もとても強く、傘をさしていられないほどだった。二人とも雨に濡れながら、事前に調べてあったカフェに行った。 「初めてのデートなのに、こんなに雨で楽しくないですよね?」 「ううん。私はあなたと話せて嬉しいです」  僕はそう言われて頬が赤くなるのを感じた。彼女が嘘をついているようには思えなかった。一週間後の日曜日にまたデートしてもらえることになった。  今度こそは晴れて欲しいと思ったけど、天気を変えることなんてできるのだろうか。しかし、スマホで調べていた時に、僕の考えを吹き飛ばすような記事がネットに書いてあった。 『レンタル天気屋 好きな場所で好きな天気に!』  直感で絶対に怪しいと思った。でも、少しでも晴れになる可能性があるならと思って、サイトを調べた。  全国全ての天候が変わるわけではなく、自分が変えたいと思う都道府県を選んで、好きな天気を選ぶと天気を一日の間、レンタルできるというものだった。
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