笑顔の向こう側

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笑顔の向こう側

「大崎くんなら仕方ない、私のレンタル代は高いわよ」  夏鈴は嬉しそうにそう言うと、急に可笑しくなって噴き出してしまう。  即座に「なんだよ、それ」とつい突っ込みながら、陸も釣られて笑ってしまった。  車内には笑い声が響いている。夏鈴は久しぶりに心の底から笑った気がした。  長かった赤色から信号が青に変わる。 「また長期休み取るし、休みの日には連絡する……」  夏鈴が照れながら、そう陸へ約束を告げる。  陸は嬉しそうに頷き、ブレーキペダルから足を放すとアクセルをゆっくり踏み込んだ。  そして車は二人の笑顔と共に、ゆっくりと前へ前へ走り出した。 【了】
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