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遡ること1時間前。
「この後プリンスバーガー行く人〜!!」
野村のクソデカボイスが
部活終わりの部室に響く。
「うい〜」「しゃーなし、行くか。」
行きたいのか、行きたくないのか、
やる気のなさそうな返事が
ポツポツとその後を続く。
野村は満足そうに笑うと、
「侑斗とテンちゃんも行くだろ?」
と俺の肩を叩く。
「いや、行かない。
今日侑斗んちで完徹ゲーム。」
一昨日買った新作をやろうって約束がある。
「えー、そうなのー?誕生月のクーポン、
5人まで使えるから
お前ら来てくれたらピッタリなのに。」
そうか、コイツ今月誕生日だっけ。
どうするかな、と侑斗の方を見る。
「行こうよ、典。20%OFF、だって。」
「侑斗がいいなら。」
「よかった〜!腹減った!早く行こう!」
「野村の奢りな?」
「へぇ?酷くねぇっ?」
焦って声が裏返っている。
「嘘だって。ポテト奢るよ。」
何だかんだ優しい安川は野村の幼馴染である。
「マジ?ありがと!幸せ〜!」
いつも幸せそうな野村が物凄く喜んでいるのを見て、来てよかったと思う。
そんな会話をしながらドヤドヤと店に入って、
窓際のカウンター席に5人で並んだ。
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