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その一週間後、謙一と二人だけのはじめてのデート。ショタメイクもショタコーデもしないワンピース姿。切ってしまった髪はどうにもならないけど、謙一にどっちがいい? と聞いたらどっちも好きだから好きにしてと言われた。
今回も待ち合わせ場所は駅前。また早く着く気がしていたけど、先に謙一はいた。目線を追えばやはりショタを追っかけて目の保養をしているのだろう。
「謙一、待った?」
その視線を遮るように私は謙一の前に立つ。
「そんなことないよ。ショタで目の保養してたから。でも必要なかったかな? 穂乃果が可愛いから」
「よしよし。よく言った」
うりうりと肘で謙一の頬をつつく。
「行こうか」
それを制すように謙一は私の手を握る。一瞬、私に微笑んでから視線がズレる。
「お、あそこに可愛いショタ! いいねいいね!」
「相変わらずだね」
「あ、でも一番可愛いのは穂乃果だから」
私の彼氏はショタコンだ。私も認めてはいる。ちゃんと私を一番可愛いって言ってくれるから。このふざけた男とのこれからを考えると胸が高鳴る。
ショタメイクとショタコーデは、いざというときまで隠しもとう。何度でも君を私に惚れさせるために。
了
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