愛と命と最後のキス

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 *** 「生まれて初めてですよ、この病気が完治したのは……!」 「ええ、奇跡みたいね、チェリー」 「……うん」  数日後の検診で、お医者様とお母さんは笑顔で頷きあっていた。二人の前で、チェリーは頷く。そして、涙が滲まないように懸命に堪えていたのである。  泣いてはいけない。もういないあの人は、きっと自分の笑顔を望んでくれていたはず。そしていつかあの人がまた地上に戻ってきたくなるくらい、笑って過ごしてやると決めたのだから。 「きっと神様が祝福してくれたのね」  そう告げるお母さんに。チェリーは笑顔で、それは違うわ、と首を横に振ったのだった。 「私を助けてくれたのは……自称・悪魔の天使様だったのよ」  まだ何が出来るかわからないけれど。それでも、もう少しだけ頑張っていきてみせると決めたのだ。  いつか彼の娘として生まれたことに、胸を張れるようになるまで。
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