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机に頬杖をつきながら、窓からグラウンドを見下ろす。昨日までとは打って変わって、活気と人に満ち溢れている。
サッカーをしている時の彼は、いつにも増して輝いている。絶えることのないその笑顔からは、何よりもサッカーが好きなことが伝わってくる。
そんな彼を見るのが私の放課後の日課である。テスト明けで久々の部活動だから、いつにも増して私の心は満たされる。
もし、こうして煌めいてる彼の姿が見られなくなったとしたら、、私は、、どうなって、しまうのだろ、、
でも、今日は流石に疲れたな。午前でテストは終わったし、そろそろ帰って家でゆっくりするとしよう。
私は荷物をきれいな鞄に詰めて、席を立とうとした。その瞬間、教室の前の方で大声で喋っていた女子たちの中の、リーダー格の女と目があった。
私は思わず目を逸らす。ぎこちない足取りで扉に向かうが、リーダー女がズンズンとこちらに近づいてきているのが視界の端に映っている。
「ねぇ、あんたさあ」
リーダー女の高圧的な声が脳に響く。体中が震え出し、息が荒くなっていくのが分かる。久しぶりのこの感覚。気持ち悪い。気持ち悪い。
「最近調子乗りすぎじゃないの?」
机を叩きながら、上から睨め付けるような眼差しを私に向けるリーダー女。私は、震えながら床を見ることしかできない。
「あいつに免じて、もうお前で遊んだりはしないけどさ、助けてくれたやつ困らせてどういうつもりなの?」
私は、震えながら床を見ることしかできない。
「ミカも困ってるってさ!」
私は、震えながら床を見ることしかできない。てか、ミカ?だれ?
「おい!なんか言えよ!」
怖い、、怖い、、でも、もう怖がっているだけは、、終わりって、決めたはず。
だって、彼が、、彼が、いるから。
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