初恋

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今朝は久しぶりにどんよりと雲に覆われた天気になった。最近晴れ続きだっただけに、やけに気分も淀んでしまうような気がする。昨日の晴れやかな気分も、台無しになって、しまうような、、 「あっ、おはよう」 後ろから声をかけられ、振り向くと、彼の姿があった。前言撤回、今日は最高の日だ! 「お、おはよう!今日は、朝練、なかったんだね」 「おう、久々にゆっくり寝れたわ」 私は、今、彼と並んで、一緒に喋りながら、歩いている。何よりも望んでいた、この時間。想像していたより何倍も、幸せだ。本当に、目の前に青空が広がっているような、そんな気分に、なる、、 「あ、あのさ、、」 「ん?どうした?」 「今日、帰りも一緒に帰ってくれないかな?」 「あー、、」 彼は、いつも通り困った顔をする。断られるのなんて分かってる。それでも、この幸せな時間を、もっと、もっと味わいたい。 どれだけ幸せかを知ってしまった今、今までにも増して、欲しがらずには、いられない、、 「ごめん、今日も、彼女と帰るからさ」 彼は、申し訳なさそうな顔で言う。 分かってた、分かってたことだけど、私が一番聞きたくない言葉に、胸がギュッと締めつけられる。 「そう、だよね、、」 「ほんと、ごめんな。やっぱり彼女が一番優先したいからさ」 彼は照れ臭そうに言う。 分かってる、分かってる、けど、聞きたくない。認めたくない。私があなたの隣にいたいのに。胸の内から沸々と込み上げてくる思いが、止められない。 気づけばもう学校に着いていた。二人で登校する時間は、いつもの何倍にも短く感じた。
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