ただいま、魔王対策会議中!

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ただいま、魔王対策会議中!

「ただいまより、魔王対策会議を始める!」  どどん!と会議室に集まった勇者達。僕は勇ましく号令をかけるが、僕以外のみんなはまったくやる気がない様子だった。長年魔王を倒すことができず、みんな苦労してきたはずだというのに。  そもそも僕を含めて、全員が異世界転生してきた身なのである。  トラックにぶつかって吹っ飛ばされたら女神様の前にいて、チートスキルを貰って異世界転生してました、というアレ。  本来なら、そこらへんのラノベよろしく魔王なんかあっさり倒せるはずのスキルを全員が持っていたはずなのである。しかし、既に三年くらいすぎているが、一向に討伐任務が進む気配ナシ。  理由は単純明快。勇者どもに協調性がなさすぎるから! 「もう魔王討伐とかさあ、やる気がある人だけやればいいと思う。ボク興味ないからさあ」  そんなことを言うのは勇者A。どんな場所でも好きなようにスローライフができる、というチート能力持ち。そもそも最初から魔王討伐に興味がなくて畑耕していたいだけなので、今日の今日まで自分の土地にずっとひきこもっていたという怠惰な男である。 「そうよ、全部私に任せればいいの!魔王も魔族もぜーんぶ私の虜にして私だけの逆ハーレム作……平和を取り戻してあげるんだから!」  そんなことを言うのは勇者B。どんな男もウインク一つでメロメロにできるというチート能力持ち。が、本人が魔王討伐じゃなくて、魔王がイケメンで推しだからって理由でとっつかまえて魔族イケメンたちの逆ハーレム作ろうとしてる時点で趣旨違っている女。 「断固拒否!勇者Bに任せていたら、世界の平和など取り戻せんだろうが!奴らは殲滅、殲滅一択であるぞ!」  そんな勇者Bと真っ向から対立しているのが、勇者C。どんな敵の能力をも上回れる最強能力持ちというチート者。一応一番魔王退治には積極的ではある。しかし、うっかり勇者Bの能力とどっちが上かわからないため、お互いに真正面から喧嘩できずにバチバチ火花散らしている状態。魔王を虜にしたい女と退治したい男は、そりゃ意見が一致するはずもなし。 「全部まとめて爆弾で吹っ飛ばせば解決なのに。いっぺん殺して好きな奴だけ生き返らせればいいじゃないですかあ」  思想が危険すぎて触りたくないのが勇者D。どんな人間も生き返らせることができる能力者なせいで、もう発想からしてヤバいことになっている。しかも超絶面倒くさがり。なんでこんな男にこんなチート能力をあげちゃったのか女神。
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