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しかも帰り際、愛美に散々お説教された。 一樹は甘い、練習不足、自覚が足りない、気合いも足りない。 足りないものを捲し立てられて、心がどんどん冷えていく。 ──言われなくてもわかってる……。 花開く前にスランプ。 私は段々と部活をサボり始めた。 練習に明け暮れていたから、久しぶりに一人で観る映画は楽しかった。 読めていないコミックを読み、好きなように時間が使える懐かしさに浸る。 たまにサボりから、たまに部活へ変わっていくのに時間はかからなかった。 廊下ですれ違う愛美は、軽蔑したような目で睨みつけてくる。 「来週は大会だから。サポートくらい出来るでしょ?絶対参加しなよ!」 腕を掴まれ念押しされた。 イラッとする。 ──面倒くさい。 真面目に練習して強くなれるのか。 ならば、今までの努力は何なのか。 もっとがむしゃらに、もっと熱く自分を鼓舞しなければならないのか。 愛美の熱量と私の熱量は、昔からシンクロしない。 「わかってる!」 愛美の手を振り払い、足早に教室に入った。 隣街の総合体育館での大会は、団体戦のみ行われ、個人戦はない。 レギュラー5人に入っている多香子と愛美は、着替え終わってウォーミングアップ中だ。 私はこれから着替えて、レギュラーメンバーの練習相手になる。 咲が私を見付け、ウサギみたいに跳ねながらやって来た。
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